Alibabaクラウドはグローバルステージへ

中国の大手パブリッククラウドがグローバル市場における計画を発表

Alibabaクラウドは、昨年度の集計で16億7,000万ドルの年間収益と顧客100万を有しており、急速に拡大しています。Alibabaは中国の象徴的存在となり、今では18のリージョンで49もの可用性ゾーンを開設しています。Gartner社の調査では、 laaS 事業者として世界トップ3のうちの1社に数えられています。

確かに、Alibabaクラウドは、アジア太平洋地域においては、競合のAWSやGoogleクラウドよりも多くのデータセンターを保有しています。

「Alibabaはアジア太平洋地域にフルコミットしており、米国ベースのクラウド企業に比べ、ローカライズされています。マレーシアにe-hubを建設したことも含め、東南アジアには多大なリソースを投資してきました」とAlibabaクラウドのクラウド構築チーフ、D・ワン氏はこのようにDCDに語りました。

下剋上

中国・香港の他に、シンガポール、マレーシア、オーストラリア(シドニー)、インド(ムンバイ)、インドネシア、日本(東京)にデータセンターを保有しています。

6月にSynergy Research Groupが発行した報告書によると、Alibabaクラウドは中国での支配的地位を占めているだけでなく、アジア太平洋地域においても、laaS・ SaaS の両方で第2位のシェアを占めています。

先週、シンガポールで開催されたAlibabaクラウド・サミットにおいて、ワン氏は世界規模での9つのサービスのローンチを発表しました。彼はまた、シンガポール国立大学(NUS)のような教育機関との協働も取り上げ、アジア太平洋地域に注力することを強調しました。NUSとは、イノベーション・インキュベータープログラムにおける提携を公表したばかりです。

中国進出の足がかりに

グローバル企業が巨大な中国市場に進出するにあたって、AlibabaクラウドはITニーズの支援をするとワン氏は述べています。「我々の’Go China’戦略はユニークなものです。もし、あなたの会社が中国でビジネスをするのであれば我々は協力できます。なぜなら私たちは中国最大のクラウド企業であり、最も多くのデータセンターを保有しているからね」

マレーシアを拠点とするAirAsiaは、いたるところでGoogleクラウドを利用していますが、AirAsiaのデータおよびデジタル分野チーフオフィサー、N・シャンティ氏が先月DCDに語ったところによると、中国における顧客サービスではAlibabaクラウドに頼っているようです。

データの所有権問題が世界規模で、ますます重要なトピックになっています。中国で新たに制定されたサイバーセキュリティ法は、国外の組織に対して中国市民のデータを中国国内で保管するように定めていますが、これは既にかなりの取引を導出してきました。一例として、Appleは中国政府の管理下のホスティング会社との協定の下で、中国初のデータセンターを開設しました。
すべての会社が自社のデータセンターを保有できるわけではありません。それこそワン氏が話したところのAlibabaクラウドができる役割のなのです。「我々はサイバーセキュリティ法を把握し、それに対応したIT環境をどのように構築するのか、コンサルサービスも提供できます」

謙虚が故の成長

Alibabaクラウドも他のクラウドプラットフォームと同様に、バーチャルマシンや、データベース・ストレージなどの基本的なサービスから成長してきました。Alibabaはゲーム関連からメディア企業まで多様な企業にサービスを提供してきたのです。このことはAlibabaが保有するTaobaoやTmallのようなビジネスについても同様です。

「一番やりがいのある課題は、顧客の要望と流行を理解することだと私は思います」とワン氏は語りました。「我々は未来を決めるのではない。代わりに、市場から学び、顧客から学び、そしてカスタマーバリューを付加出来るよう努力します」

この戦略がうまくいくのは、Alibabaクラウドがeコマースおよびロジスティック企業向けの強制的なソリューションの構築を可能にする業界のノウハウを心得ているからでしょう。「これこそeコマース企業が我々のサービスを利用する一つの理由です。彼らがeコマース向けのグローバルプラットフォームを構築できるようなベストプラクティスを提供できます」と彼は付け加えています。

顧客第一主義ソリューション

Alibabaクラウドは、中国独自かもしれない顧客の苦慮する点・課題に対処することに焦点を置いたことで、彼らのクラウド商品を形成する大きな役割を果たしてきました。例えば、 AI を用いた「ET Environmental Brain」ソリューションでは、気温や風速・気圧など多くの環境データを衛星画像と共に横断的に分析し、可能性のあるスモッグのパターンを予測することで、政府役人が汚染を監視して環境関連の決断をする際の支援をします。

先週、世界規模でローンチされた9つのサービスの中に「anti-bot」サービスがあります。これはオンライン詐欺を防止するように設計されています。競合の動きを得るための自動ツールや、輸送チケットやオンライングッズを高値で転売するscalping racketsなどが、その例です。

いくつかの地域において、Alibabaクラウドが競合より先んじていることは明らかです。MicrosoftやGoogleクラウドがそれぞれオンプレミスなソリューションを導入もしくは検証しているだけになっている一方、AlibabaのApsara Stackは中国で2年間の実績がありますとワンは話しています。展開可能ノードにあらかじめ定義された無制限のオンプレミスの展開は、セオリー通りにいけば、顧客が望めば望むだけ拡張することができるかも知れません。

「Alibabaのコードとアーキテクチャは パブリッククラウド と同じです。そのため、自社内に設置されたカスタマイズされたパブリッククラウドのように思うでしょう。Apsara Stackは簡単で、専用クラウドとパブリッククラウドとの間を自由自在に行き来することが出来ます」

次は何か

これまでのところ、Alibabaクラウドを利用することでビジネスに活力を与え、企業の潜在可能性を十分に発揮させることがAlibabaクラウドの目標です。ワン氏は次のように語りました。「顧客の中には、クラウドはワークロードを持ち上げ・移行するものだと単純に理解をしている方もいますが、もし仮に、クラウドコンピューティングの利点を存分に得ようとするならば、クラウドネイティブなアプリケーションを作成しなければなりません。彼らはクラウド API 、クラウド独自の特徴を利用し、そのスケーラビリティの恩恵にあずかることが出来るのです。そうでないと、クラウドを単にサーバーとしてのみ利用することになってしまいます。それでもビジネスを続けることは可能でしょう。ですが、クラウドコンピューティングの利点を全て享受することはできません」

– Data Center Dynamics
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