【特集記事】2020年のクラウドを定義する重要なトレンド

【著者】 Stephan Fabel氏( カノニカル ・リミテッド 社)

” エッジ、サーバーレスコンピューティングの融合、コンテナ化とともに、 際立つ年になる ”

クラウドコンピューティングは、過去10年間の進歩を示す重要なテクノロジの1つでした。2006年にベールを脱ぎ、2010年にグーグル、アマゾン、マイクロソフトなどの大手がサービスとして立ち上げたクラウドコンピューティングはいまだ初期の段階にあります。 AI とモノのインターネット( IoT )を組み合わせたサーバーレスおよびエッジコンピューティングなどの新しいテクノロジは、クラウドの可能性や、グローバルに開く新たなチャンスを十分に想像できます。

エッジコンピューティングがクラウドを一新する

クラウドコンピューティングは、何千もの物理サーバーをリモートで実行する集中型データセンターと言えます。ただし、クラウドコンピューティングによってもたらされる大きな潮流の1つは、「 エッジコンピューティング 」として知られる分散型クラウドインフラストラクチャです。企業は、顧客にサービスを提供するため、データへ瞬時にアクセスができるコンピューティング能力を必要としており、それを実現するためのエッジコンピューティングがますます注目されています。

– Pixabay / kareni

IoTでは、大量のデータをリアルタイムに低 レイテンシ レベルで収集し処理する必要があります。これを実現するのに、エッジコンピューティングは不可欠のテクノロジとなります。生のストリームではなく、最も重要な情報だけをクラウドに送信することで、エッジコンピューティングはIoTシステムが通信接続コストを大幅に削減するのに役立ちます。最も一般的なユースケースの1つは、ネットワークやコンピューティングリソースにデータ送信の負荷をかける前に、データ分析およびフィルタリングを行う機器上のセンサー対応ユーティリティです。

エッジコンピューティングはクラウド進化の最終段階ではなく、クラウドの導入拡大を推進する重要な要素です。

コンテナ化へ

今後は、開発者がソフトウェアコードを管理し、パブリッククラウドに移行できるようにする技術である クラウドコンテナ の普及が進むでしょう。

直近の Forrester 社の調査によると、既にエンタープライズ企業の3分の1 はソフトウェア開発にコンテナ技術を使用していると算出しました。

さらに、451 Researchは最近、2020年に27億ドルの年間成長( 今年比40%成長 )を予想しました。 コンテナ化は AWS、Azure、Google Cloud間の移植性を可能にし、 DevOps 戦略を調整することでソフトウェア開発を加速できることから、マルチクラウド環境を利用する企業にとって最適なソリューションとなります。

ハードウェア仮想化よりもOSレベルの仮想化を可能にする Kubernetes はコンテナ化の導入加速にむけての大きなトレンドになりつつあります。近い将来、コンテナ化技術が重要な開発フレームワークの1つになることは明らかです。

サーバーレスアーキテクチャの採用が主流に

アプリケーションは依然としてサーバー上で実行されているので、「 サーバーレスコンピューティング 」は誤解を招く言葉かもしれません。とはいうものの、サーバレスコンピューティングを利用すると、クラウドプロバイダは要求時にのみコードの実行を管理し、コードの実行時にのみ課金します。サーバーレスコンピューティングを採用することで、企業はサーバーの設定やメンテナンスから解放されます。

オープンソースの台頭

オープンソースソフトウェア( OSS )は、 オープンソースソリューションの自社のIT運用やインフラ全体に対するインテグレーション事例の増加に伴い、人気が高まってきています。 Black Duck Software社の最近の調査では、 60%までの IT意思決定者は、すでにオープンソースソフトウェアを使用しており、半分以上がオープンソースプロジェクトに貢献している、と報告しています。

オープンソースは、クラウドコンピューティングによって生み出されたエコシステムの中で成長しています。 DevOps ツールや 自動化 、あるいは OpenStack 、 Kubernetes などのインフラ基盤構築プラットフォームの数が増え続けていることが、オープンソース採​​用の急速な拡大に重要な役割を果たしています。

企業が業務をクラウドに移行し続けるにつれて、オープンソースは2020年以降のIT革新において重要な役割を果たすようになるでしょう。

Data Center Dynamics

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