Linux Foundation、エッジコンピューティング向けのプロジェクト発足

Linux Foundationは、この度、 エッジコンピューティング で利用するソフトウェアツール開発の新しい オープンソース プロジェクトを立ち上たと発表しました。
新しく立ち上げられた組織はLF Edgeと名付けられました。新しい取り組みは5つのプロジェクトから構成されることになります。

新たな取り組みには、エリクソンやHPE、Huawei、IBM、ジュニパーネットワークス、NTT、ノキア、Seagateやテンセントなどを含む60の業界企業が、既にサポートを宣言しています。昨年1月に同様に設立された内部機構「LF Networking」に続く取り組みとなります。

より迅速な開発がしやすい環境を

– LF Edge

The Linux Foundationは、Linux OSや 仮想化 ソフトウェアなどの仕様標準化、促進を目的としたコンソーシアムで、賛同者による資金援助によって成り立っています。

今年、The Linux Foundationは、経営的な側面と、プロジェクト同士の更なるコラボレーションを期待し、既に存在している3つのプロジェクトを統合、2つの新しい取り組みに合わせ、単一プロジェクトとして発足させました。

LF Edgeは、「ハードウェア、シリコン、 クラウド サービス、OSなどに依存しない、エッジコンピューティングのためのフレームワークを全ての人へ公開し、相互利用が可能な状態を作る」ことに集中します。

昨年発足したLF Networkingと同じように、LF Edgeも有志の参加者によって成立します。

Linux Foundationでゼネラルマネージャーを務めるArpit Joshipura氏は、
「LF Edgeにとって、幅広い産業、企業、消費者へと提供される無数のエッジ環境が、新しい市場となります。AT&TによるAkrainoや、Dell EMCによるEdgeX Foundryなど、既存のコードおよびプロジェクトのコントリビューションと合わせた今回の大規模な支援は、LF Edgeがエッジ / IoTアプリケーション開発を変革する体制が整っていることを意味しています。」と語りました。

LF Edgeプロジェクトの詳細

LF Edgeプロジェクトは、下記の5つのプロジェクトから構成されます。(The Linux Foundationより)

Akraino Edge Stack:エッジコンピューティングシステム/アプリケーションに最適化された高可用性クラウド サービスをサポートするオープンソースソフトウェアスタックを開発しています。

EdgeX Foundry:IoTエッジコンピューティングのための共通のオープンフレームワークの構築に重点的に取り組んでいます。

Home Edge Project:Samsung Electronicsによりコントリビュートされたこのプロジェクトは、日常生活の様々なデバイスで動く、堅牢で信頼性が高くインテリジェントなホームエッジコンピューティングフレームワーク / プラットフォーム / エコシステムを推進することに注力する新しいプロジェクトです。

Open Glossary of Edge Computing:エッジコンピューティング分野に関する簡潔な用語集を提供しています。

Project EVE (Edge Virtualization Engine):ZEDEDAによりコントリビュートされ、複雑で多様な オンプレミス および オフプレミス のハードウェア、ネットワーク、アプリケーション選択に対応するオープンで非依存型の標準エッジアーキテクチャを構築します。

同機構のホームページでは、
「IoTが、レガシーな組み込みデバイスから高いコンピュート パワーを持つクラウド ネイティブ コンピューティング デバイスへ交換が進むにつれ、エッジおよびIoT開発者は、ベンダーに依存しないプラットフォームと自社のデバイスをデプロイし、安全性を確保するための共通の語彙を必要とします。」
「製造業、都市、政府、エネルギー、運輸、小売、住宅、ビルディング オートメーション、自動車、物流、ヘルスケアなどの業界は全て、多くの異なるシステム、ドメイン、ハードウェア、ソフトウェアを使用することから、エッジ コンピューティングにより変革される可能性があります。」
と述べられています。

(参照)
Data Center Dynamicsより
The Linux Foundationより

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。