アイルランドでフローティングデータセンターの建造が承認

Nautilus Data Centersは、地元企業グループが異議を撤回し、アイルランドのリムリック・ドックに水上施設を係留する許可を与えられました。

2018年に提案された 3,500万ユーロの水上施設は、冷却に水を使用することでエネルギーを節約するよう設計されました。 リムリック・ドックにある16の企業グループであるLimerick Port Users Group は、港の利用は船舶である必要があるとして反対していました。しかし、彼らは異議を撤回し、プロジェクトは承認を得た、とアイルランドの審査官は報告しました。

水はいいですよ

Nautilus(ノーチラス社)は2015年に、岸辺から電力とデータに接続し、流れる河川や海水で冷却する水上フローティングデータセンターの計画と共に始動しました。最初のプロトタイプは、サンフランシスコ湾のマーレ島造船所のはしけで建造されました。2017年には、シンガポールに本拠を置くKeppel Data Centersから1,000万ドルの投資を受け、それ以来、陸上データセンターでも河川や海水による冷却が可能であるとして、水辺の施設への注力を強めました。

今週、 Keppel Data Centers は、土地が非常に少ないシンガポール沖でノーチラス・モジュールの小船隊をする計画を発表しました。 ノーチラス社はまた、カリフォルニア州アラメダにある水辺の廃工場跡にもデータセンターを計画しており、カリフォルニア州 ストックトン に牽引される艀(はしけ)も建造しています。

ノーチラスの概念実証図 –ノーチラス

「さあ、水はいいですよ。」7月に開催されたDCDサンフランシスコイベントでノーチラス社CEOの James Connaughton氏は次のように述べていました。「主要都市のすべてに空きスペースを持つ港があります。世界中で最も安い不動産ですよ。」「ノーチラスの挑戦は、私たちが行くことができる場所ではなく、私たちが行きたい次の3つの場所をどのように選ぶかです。」

アラメダの計画では、冷却に海水を使用すると地元の野生生物に影響を与えると主張する反対意見に直面しました。Connaughton氏はこれを手放しました。「施設の デルタT は4度未満であり、これは世界で最も厳しい基準を下回っています。受入水に達すると、1/10未満になります。 」

リムリック・プロジェクトは、建造段階で100人を雇用し、24人の常勤を創出する予定のようです。

電力争奪戦

アイルランドのエネルギー需要 –アイルランド工学アカデミー

アイルランドにおけるエネルギーの効率化は今後非常に重要になると、7月のアイルランド工学アカデミーのレポートで述べられていました。レポートでは、データセンターが2027年までに国の電力の31%を使用し、電源インフラ設備に90億ユーロの投資が必要になると予測しました。他の電力需要は増加しませんが、データセンターの電力使用量は急増しています。

アイルランドの電力会社Eirgridは、この同じ期間に70%の 再生可能エネルギー を発電に使用することを計画していますが、需要の増加は、同国の発電による二酸化炭素排出量が2030年までに150万トンとなり13%増加することを意味します。

「 アイルランドをヨーロッパにおけるデータセンター都市として確立しようとする流れは、紛れもなくデータセンターへのかなりの直接投資をもたらします。その多くは主要な多国籍企業の事業に関連し、米国以外の事業の多くはアイルランドからサービスを受けている。」とレポートでは述べています。

「しかし、アイルランドではこのような大規模なデータセンターの開発で必要となる発電設備やネットワーク設備への大きな投資に対してはあまり注意が払われていません。誰がこの投資をするのか、そしてどのように資金を供給するのかといった問題について、分析と議論が必要です。」

Data Center Dynamics

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