電力会社とデータセンターの連携

政治家たちには、気候変動が人間によって引き起こされたという科学的な真実から目を背けようとしているものもいるが、他方で幸運なことに大規模なデータセンターの所有者たちは再生可能エネルギー利用の重要性や必要性を十分理解している。彼らはいま、その考え方を共有し、有用なプロバイダーたちと結束する必要がある。
セキュアストレージの専門会社”Iron Mountain”は、ペンシルベニアにあるRinger Hill風力発電所との電力購入に関する合意の中で、再生可能エネルギーを100%利用すると宣言している。また、Bank of Americaは国際NPO団体”Business and Social Responsibility(BSR)”が推し進める”Future of Internet Power”プロジェクトに加わり、再生可能エネルギーの利用と推進を進めるという契約をした。(*Future of Internet Powerプロジェクトは、インターネットを100%再生可能エネルギーによって利用する未来を築く取り組みである)このような、再生可能エネルギーを積極的に導入する動きはすべて、現在のアメリカ政府の方針とは対照的である。

気候変動と政策 ~トランプ政権を例に~

多くの人が、環境に対する予算の削減は延期されるべきであると提案しているのに、トランプ政権が提示した予算はそういった主張に応えることはなかった。4月には行政部が、大統領に対して政府が定めた気候変動に関する政策の大部分を以前の水準にもどすことを要求し、政府に対しては“クリーンエネルギーに関する計画”を含んだ法律を破棄することを指示した。
トランプ政権は、多くのエネルギーの専門家や科学者の意見に背き、石炭利用を拡大させようとしているように見える。
すでに指摘されているが、トランプ政権の興味深い点は、オバマ政権時代の方針を廃棄、刷新できていないことにある。気候変動のみならず、気候変動について述べられた科学的な資料もまた、正式に現行政府に認可されたことになっているのだ。
新政府が法律を修正しようとしているあいだ、“危険性の認定”(オバマ政権時に環境保護庁が制定した。温室効果ガスの排出規制に関わる調査)が言うように温室効果ガスは依然として悪影響を及ぼしている。
気候変動が人間によるものではないということを証明したり、あるいはそのほかの方法で社会からの批判に対処するにしても、この“危険性の認定”を否定しなければならないだろう。

協力が不可欠

幸運にも、実際の世界では”Ars Technica”のJohn Timmer氏が言うように、継続的な改良を見せる再生可能エネルギー周辺の経済が拡大することは目に見えていて、トランプの方針とは関係なくアメリカでも気候変動について何らかの取り組みをすることになるであろう。
グリーンエネルギーの活用は、さらに恩恵をもたらす。データセンターの内部・外部を変え発展させたりすることで、新たなヴィジョンが見えるかもしれない。
ビルの中では、管理者たちがAIやIoTなどありとあらゆるツールを使って必要な電力の削減に挑戦している。この戦いの中には、UPSの新しい使い方も含まれている。例えば、電源のバックアップを棚の隅から隅まで配置したり、小さいバッテリーをそれぞれのサーバーモジュールにいれたりすることだ。
電力発電もまた、普及し始めている。それぞれの現場で熱電供給をすることで、送信におけるロスをカットし確実性を上げながら、電力系統の負担を落とすことができる。
さらに極端な取り組みをしているところでいえば、マイクロソフトは燃料電池を棚に配置し、変圧器でのロスをなくしたりするような実験をしている。
しかしながら、実験室やオフィスで行われているこのような取り組みが社会へ与える影響はさらに大きい。グリーンエネルギーの使用は誰にでも利用できる再生可能エネルギーの市場を開くことにつながった。さらに、IoTはグリッドをより効率的にし、要求ごとに適応しやすくなるだろう。

電力・デジタル両者によるサミット

国際NPO団体BSRが推し進めるのように、業界でイニシアチブを取った活動が長期的には大変重要になると、DataCenterDynamicsのPeter Judge氏は語る。(以下BSRホームページより:BSRは、全世界250社を超える会員企業とともに、グローバルのネットワークを通じて、公正で持続可能な世界の構築に向けて活動しています。 BSRはアジア、ヨーロッパ、および北米の拠点から、コンサルティング、リサーチ、クロスセクター・コラボレーションなどを通じて、持続可能なビジネス戦略とソリューションの開発に取り組んでいます。)
現在、電力インフラとデジタルインフラはそれぞれ切り分けられながら構築、運用されているが、両者を連動させながら管理する取り組みは、電力・デジタル両者それぞれが有する重要な進歩を取り入れることを可能にする。例えば、英国DataCenterDynamicsはその取り組みの一貫として、「次世代のハイパースケールデジタルインフラの構築には何が必要か」というテーマのもと、デジタルインフラストラクチャーと電力会社によるサミット「エネルギースマートサミット」を開催している。(6月19~20日/サンフランシスコ)データセンターも電力会社も、互いに能力や知見を広く共有し合うことによって互いに理解し合うことが重要である。政府がやらないのであれば、それは私たち次第である。

-Data Center Dynamics
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