Microsoft,2030年までにカーボンネガティブを宣言

Microsoftは2030年までに二酸化炭素(CO2)の排出削減量が排出量を上回る「 カーボンネガティブ 」を達成し 、2050年までに1975年の設立以来排出してきた全てのCO2を除去すると表明しました。

同社はカーボンネガティブを達成させるために、CO2排出量を減らし 再生可能エネルギー にシフトするだけでなく、実際のCO2排出量を相殺していく必要があります。

今後の課題

人類中心の気候変動が問題であることは科学が示しており、顧客や事業会社は排出量削減への喫緊の課題に直面しています。

CO2排出は、一般的に3つのカテゴリに分類されます。スコープ1は個人または企業活動の中で直接排出されるのもの。スコープ2は電力や熱による間接排出。そしてスコープ3はスコープ1と2以外の全ての活動により間接的に排出されるものです。

2020年にMicrosoft社は、スコープ1で10万トン、スコープ2で400万トン、スコープ3で1200万トン相当のCO2排出が見込まれています。

「これまで当社は、スコープ1と2の排出量にフォーカスしてきたが、従業員の出張以外で、スコープ3の排出量をしっかり計算していなかった。」と、社長のBrad Smith氏はブログで述べています。

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「だからこそ、この3つのスコープ全てにおいて2030年にカーボンネガティブになることをコミットしているのです。」

Microsoftは、今後10年半ばまでに、データセンター、ビル、及びキャンパスで消費される電力を、電力購入契約を通じ100%再生可能エネルギー供給に移行させ、スコープ 1とスコープ2の排出量を「ほぼゼロ」にする計画です。また、2030年までには世界中の同社キャンパス内で使用される車両を電動化し、米シリコンバレーキャンパスと米ピュージェットサウンドキャンパスでのモダナイゼーションの最新化プロジェクトにおいてInternational Living Future Institute Zero Carbon 認証及び LEED Platinum 認証の取得を「追求」します。

また、同社は2020年7月から社内でカーボン税を段階的に導入し、スコープ3排出量の半分以上の削減を目指しています。「CO2排出量に基づき事業各部門から支払われる資金は将来の持続可能性の改善に使用される。」と Smith氏は述べます。

それ以外のスコープ3排出量には、より低い、非公開のカーボン料金が課されます。最終的には同じレベルになります。

2021年7月には 同社はサプライヤーとの間でも排出量削減と正確な報告を行う事を促す新たな調達プロセスの実施を計画しています。

「2030年までにMicrosoftは植林や森林再生、土壌炭素隔離、炭素捕捉及び貯蔵によるバイオエネルギー(BECC)、直接空気捕捉(DAC)を含む”ネガティブエミッション技術の使用を開始する。」とSmith 氏は述べています。同社は、当初はネイチャー(=自然)ベースのソリューションにフォーカスしますが、その改善が行われた後はテクノロジーベースのソリューションにシフトする予定のようです。

また、「これらの技術開発を支援するため、Microsoftは今後4年にわたり、新技術に対し10億ドルを投資し、この問題解決に取り組む人々へのグローバルな資金調達の機会を広げる。」と Smith 氏は述べています。「我々は、これが必要とされる投資のほんの一部であることを理解しており、新たに投資する政府や企業が増えていくことを期待している。」

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彼は更に補足します。「我々は、主に次の4つの基準に基づき、投資を集中する。(1)有意な脱炭素化、気候回復力、又はその他の持続可能性への影響を促進する見込みのある戦略。(2)現在及び潜在的なソリューションを早める付加的な市場へのインパクト。(3)Microsoftと関連性を持つ、今後の気候債務と将来のカーボン排出に対処するためのテクノロジーの創出(4)発展途上国を含む気候の平等性の考慮。」

Microsoft Azure

「 Microsoftの発表は称賛すべきことが多いが、未解決な事柄とのギャップがある。」と Greenpeace の senior campaignerを務めるElizabeth Jardim 氏はコメントしています。「 Microsoft は、化石燃料企業が機械学習やその他のAI技術を活用し、より多くの石油とガスを掘削できるように支援を拡大している。」

他のメジャーなクラウド事業者と同様、Microsoftも化石燃料企業との儲かる事業を追求し続けており、Azureがこの分野の専用部門です。

同社のウェブサイト上では、顧客一例として、BP、Shell、Eni、Petrofac、ExxonMobil、Chevron、Oilfield Solutions、Volga Gasなどの企業が取り上げられています。

「高性能コンピューティング( HPC )を使用し、油層(ガス層)シミュレーションを視覚化することにより、掘削のヒット率を高める。」とMicrosoftは“エネルギー業界向けのAzure”ページで明記しています。更には「 IoT 掘削センサーと高度な分析により、意思決定と化石燃料の生産性を改善する。」とあります。

Data Center Dynamics

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