データセンターの排熱を、暖房へ再利用 – Stulz社とCloud&Heat社が提携

近年、データセンターなどの冷却で利用された水を、暖房などに再利用する取り組みが注目されています。
冷却ソリューションを提供するドイツのStulz社と、 分散型コンピューティング のスタートアップ企業であるCloud&Heat社も、データセンターやサーバールームの冷却に使用した水を、暖房へ再利用するコンパクトな水冷のデータセンター開発に向けて提携しています。
まずは、標準の19インチ・サーバーを格納でき、合計40kWの冷却能力を持つボックス型のデータセンターを開発予定です。
今回のパートナーシップの一環として、Stulz社は、Cloud&Heatのセールスおよびマーケティング活動を支援します。

将来的には、より大容量なものが求められるだろう

ドイツのドレスデンに本拠を置くCloud&Heatは、2011年に設立されました。
主には、オフィスビルやアパートなど、メントブロックなどの場所に設置ができ、冷却に利用し温まった水を、暖房用途に再利用できるようなモジュラー式の水冷式データセンターシステムの開発を手掛けています。
2018年3月には、日本市場への展開も発表されており、住友グループ子会社で、プラスチック製品や電子機器を取り扱う稲畑産業株式会社が、 GPUサーバーGPU-based servers)を搭載したCloud&Heat社のコンテナ型データセンターを国内に展開する予定だあると取り上げられていました。
<関連記事:水冷のコンテナデータセンターを手がけるCloud&Heat社、日本へ上陸(2018年3月28日)

この小型のデータセンターは、 ダイレクトチップ冷却 を使用することで高効率な冷却を実現しています。
暖かい水は、CPUやRAMなど、サーバーでも最も熱を発する部分へと直接接続されたパイプの間を循環します。冷却に使用された水はおよそ60℃まで温められ、その後、暖房のために即座に再利用されることとなります。

MicroDC with water cooling/waste heat  – Stulz

今年の初め、Cloud&Heat社は事業拡大のためにベンチャーキャピタルから1000万ユーロの投資を受けていました。
Cloud&Heat社が開発した 温水直接冷却 システムは、Stulzが3月から提供を開始したStulz MicroDCシリーズのオプションとして利用することが可能となります。
その他にも、機能としては、ポンプ制御、温度調節、遠隔監視用ソフトウェアの導入が可能となります。

MicroDCは、標準的な19インチラックをベースにした小型のサーバエンクロージャで、高さは40U〜48Uとなっており、Cloud&Heat社が構築したエンクロージャよりも高くなっています。必要な電源および冷却装置、ケーブル管理システム、ビデオ監視、LED照明、火災抑制、および物理的アクセス制御をすべて備えた提供が可能です。
Stulzは、以前から水冷ソリューションを提供していましたが、廃熱を再利用する機能はありませんでした。

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– Data Center Dynamics
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