環境保護団体Greenpeace「AWSは再生可能エネルギー利用に消極的」と批判

~環境保護団体のGreenpeaceによれば、Amazon Web Services(AWS)は、100%再生可能エネルギー利用にコミットするという約束を果たせなかった~

クラウドコンピューティング大手のAWSは、2014年、自社データセンターの電力を100%再生可能エネルギーで供給すると宣言していました。しかし、この度Greenpeaceが発行したClicking Clean Virginiaという報告書では、ヴァージニア州での事業を推進するために、依然として化石燃料に大きく依存していることが指摘されています。

同報告書では、同州におけるAWSのエネルギー確保源のうち、再生可能エネルギーが利用されているのはわずか12%に過ぎないといいます。AWSは今回の発表に対し「不正確だ」と反論しています。

再生不可能エネルギーを用いるデータセンター

報告書では主に13社について言及がされていますが、米国最大のデータセンター市場であるヴァージニア州で、充分な再生可能エネルギーを確保することに成功しているのはApple、Facebook、Microsoftの3社だけだといいます。

その中で、Appleは同州のデータセンターにおいて、100%の再生可能エネルギーを利用することをすでに達成していますが、Facebookは37%、Microsoftは34%に止まっています。

現在のところ、同州における発電は依然として化石燃料が主流であり、再生可能エネルギー由来のものは5%未満で、米国内の他の地域にも遅れをとっています。多くのデータセンターが集中しているData Center Alleyでも、最大の電力生産者であるDominion Energyが供給する電力のうち、再生可能エネルギーが占める割合はわずか4%です。

Greenpeaceの報告によれば、 2014年末の段階で、AWSはDominion社最大の顧客の一つとなりました。それ以来、ヴァージニア州におけるデータセンター事業を3倍にしていることも言及されています。

過去2年間だけで、AWSは同州におけるデータセンター容量を600MW以上増やしていますが、この期間、再生可能エネルギーの供給元を新規で獲得することはありませんでした。

– Sebastian Moss

Greenpeaceによれば、AWSは2015年から翌年にかけて、かなりの量の再生可能エネルギーを現地で購入しましたが、このエネルギーは、同地域の新たなプロジェクトで必要なエネルギー分を供給するのに使われたようです。 Greenpeace USAの企業キャンペーンを担当するElizabeth Jardim 氏は、

「再生可能エネルギーを100%利用すると公約したにも関わらず、世界最大のクラウドコンピューティング企業であるAmazonは、実際は再生不可能なエネルギーによって“部分的”にしか電力供給していないことは、誰にも気づかれないと踏んでいるのですよ」

「 人々のインターネットクラウド利用は増加し続け、より多くのパイプラインが必要となることは明白で、 Amazonをはじめとするヴァージニア州に拠点を構えるメガクラウド事業者たちが方針を変えない限り、汚染や気候への影響も増えることでしょう」

今回の報告書に対して、AWSのスポークスマンは以下のようにコメントを残した。

「Greenpeaceは、AWSのインフラストラクチャにおけるエネルギー消費量と再生可能エネルギー導入に関して、不正確なデータを報したようですが、この報道に際してAWSへの事実確認を行なっておらず、決して適切な振る舞いだとはいえません。」

「Greenpeaceの調査報告では、AWSが現在消費しているエネルギー量および見込まれるエネルギー消費量が誇張されています。加えて、まずAWSがヴァージニア州の太陽光プロジェクトにおける主要な投資家であること、またドミニオン電力と協力して、自他問わずに、より多くの再生可能エネルギーを市場価格でヴァージニア州にもたらす先駆的役割を果たしたこと、これらを適切に言及することもできていません。」と述べました。

Greenpeaceでシニアコーポレートキャンペインを主導するGary Cook氏は、 「残念なことに、AWSは依然として、エネルギー需要を算出するのに必要なデータポイントを開示することを拒んでいます。それは再生可能エネルギーに関する進捗状況を示すものであるのに…。」

「独自の調査によると、昨年のAWSのフットプリントを見る限り、クラウドサービスの成長度合いはデータセンターキャパシティの成長を凌ぐものでした。すでに膨大なフットプリントを保持しているヴァージニア州においても同様で、劇的に成長し続けています。」
と、昨年8月にDCDに話していました。

Gary Cook氏は今年ストックホルムで開かれるDCD Energy Smartイベントで基調講演を行う一人である。話題の報告書は2019年の前半のうちに、公開される見込みです。

– Data Center Dynamics

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