アムステルダム「これ以上新しいデータセンターはいらない」

オランダ アムステルダム市はヨーロッパ最大のデータセンターハブの一部であると主張しており、現在急成長を遂げています。しかしながら、アムステルダム地方自治体当局は2020年までの間、当該地域に新しいデータセンターを設立することを禁じる声明を発表しました。

当局によると、データセンター建設は現在彼らの管理下にない為、この動きが必要であると言います。一方、オランダデータセンター協会(DDA)は、この決定は不公平であるとしています。市当局はその地域のデータセンターの戦略的方向性について既に合意しており、DDAの会員企業は当局からの全ての要求事項は遵守していると示しています。

突然の決定

DDAのJudith De Lange氏はDCDに対し、次のように述べています。「私たちは他のパートナー自治体と対話していましたが、これは非常に突然の決定でした。彼らはヨーロッパでのデジタル都市になることを急いでいます、今回の発表にそれは当てはまりません。」

アムステルダム自治体は、隣接するハールレメルメール都市自治体と共に、金曜日、プレスリリースで以下の発表をしました。「アムステルダムとハールレメルメールは、どちらも予備的意思決定を下しており、新しい地域政策を待つ間、一時的にデータセンターの新設を中止する予定です。」

この判断は必要でした、とリリースでは述べられていました。なぜなら、「データセンターは、多くの市民、企業や研究機関にとって不可欠な施設となっていますが、それらは多くのスペースを占有し、またエネルギー消費量が多いため、電力網に大きな負荷をかけます。現時点では、自治体はデータセンターの所在地、あるいは要求を満たす要件について調整する権利をほとんど有していません。」

アムステルダム – Pixabay

「ある意味、データセンターの盛り上がりは、私たち自身の消費行動やライフスタイルの結果です。私たちは四六時中スマホやパソコンを通じてオンラインでいたいと感じています。ある程度まではそのためのインフラの受け入れは必要でしょうが、アムステルダムの土地は限られています。」とアムステルダムの持続可能性 / 空間開発 議員であるMarieke van Doorninck氏はリリースの中でコメントを述べています。

ハールレメルメール の空間開発、環境・農政部門の議員、Mariëtte Sedee氏の次の声明はこれを反映しています。「私たちの自治体のスペースには大きな価値があります…データセンターの設置場所を把握しやすくするために、最初に現地でポリシーを策定する必要があります。」

排熱の活用

当局の発表によると、今回の休止措置は「データセンターを可能な限り小さなスペースで稼働すること、そして(アーキテクチャ上)環境に適合すること」を確実にすることが目的のようです。 自治体が「新しい地域政策が策定されるまで」新しい開発を停止すると発表している中、紛らわしいが、「新しい政策に従っている進行中のプロジェクトは当分の間認められます。」とのことのようです。

これはデータセンターの効率性に関連する事ではないと思われます。「アムステルダムはすでにデータセンターに対する厳しい効率基準を実施済み」とDDAのDe Lange氏はDCDに述べています。更に業界はこれらの要求を満たしています新設データセンターの PUE (電力使用効率)は1.2以下でなければならず、既設サイトではPUE 1.3の達成を義務付けられています。「アムステルダムで過去5年間に建設されたデータセンターはすべてこれらのエネルギー効率要件を満たしています。」

問題は廃熱の再利用であるように思われます、がDDAは、それについても当局の要求はすでに満たしていると言います。

オランダ国内の発電は化石燃料に大きく依存しており、当局は住居やオフィスビルの暖房に産業廃熱の活用を奨励しようとしています。地方自治体当局は、データセンターの排熱を 再生可能エネルギー 源として分類することに同意しましたが、その回収率に不満があるようです。

van Doorninck氏は、「住居の暖房に余熱を無料で利用できるようにするための条件を設定する予定です。」と発表しました。「データセンターには多くの排熱があり、現在それが再利用されずそのままになっていることが多いが、住居の暖房に利用できるようになると、熱供給をより サステナブル( 地球環境の持続可能性)なものにするのに役立ちます。」

それに対応してDDAはリリースを発表しています。De Lange氏はDCDに対し、「アムステルダムのデータセンターでは既に余熱を無料で提供している」と説明しました。だが、より広範囲の地域暖房ネットワークを構築しないと、地方自治体の地域暖房システムで、排熱の再利用が困難であるとしています。

「2017年には、計画を進めるための一つの試みとして、排熱の無料提供を決めました。 市内の新設データセンターは熱の再利用を念頭に置いて建設されています 。」とDe Lange氏は指摘しました。しかし、再利用の排熱を各住居に提供できるようにすべきであり、誰かがそのためのインフラを構築するコストを負担しなければならない課題についても説明しました。

DDAの参加企業の多くは、直接または証明書を通じて再生可能エネルギーを採用していると彼女は述べています。

矛盾するリリース発表にもかかわらず、自治体と事業者の双方はいくつかの点で合意しているように見え、既に交渉段階である可能性があります。リリースでは、アムステルダム自治体は「2019年末までに完成を目指しているロケーションポリシーの作成に関し、データセンター事業者の意見を取り入れるべく協力を依頼している。」と述べています。

最近の報告によると、DDAはアムステルダムがヨーロッパ最大のデータセンターハブとなり、前年度比20%の伸び率で、昨年はロンドンを抜き、合計で771メガワットに達したと主張しています。 DDAはこの数値にする為に、アムステルダム、 ハールレメルメール、およびアムステルダム北部のエームスハーフェンでのアグリポート開発(注:ITを活用したハイテク農業、スマートアグリ)を含みました。 エームスハーフェン には、GoogleやMicrosoftなどの ハイパースケールデータセンター があります。

Data Center Dynamics

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