Facebookデータセンター建設のサブコン、脱税/過少支払で告訴

デンマークのオーデンセ地域に新設されるFacebookのデータセンターは、脱税や不当労働慣行の申し立てにこれまで悩まされています。

地元紙”Fagbladet 3f”によると、 同社の下請け業者であるTag og Façade DK は デンマークの高税率を回避するために国外の銀行口座を通じて従業員の残業代を支払ったとして告訴されました。また、外国人建設労働者に対して、業界標準よりも低額の賃金を支払ったことも認めました。調査された書類からは、所得税を避けるため、外国の銀行口座を介して残業代を支払ったことが示されています。

115人が対象か、40日連勤も

このトラブルでは、最低でも115人の外国人建設労働者との間で金銭問題が発生したとされており、およそ6.8mDKK(1億円)が労働者へと支払われていなかったと、過少支払を認めました。

しかし、貿易関連雑誌のFagbladet 3fによれば、従業員のタイムシートや銀行の供述から、労働者の賃金はそもそもデンマークの税務管轄外で支払われていたこと可能性が浮上しています。

Tag og Façadeから支払いを受け取った従業員は200名以上存在する可能性がありますが、彼らへの残業代は、外国の銀行口座や英国の銀行を通じて支払われていました。これは、デンマークで仕事を行う同社が、何百万ドルもの脱税を行ったことを意味しています。

デンマークは世界で最も高い所得税率を誇っており、労働者は平均約45%を支払うとされています。

Odense – Facebook

オーデンセ地域にける56,500㎡のデータセンタープロジェクトは、イギリスのMace社が担当のゼネコンとして受注をしていました。 2016年に創立された Tag og Façade DK はサブコンの1社としてプロジェクトに参画しており、2017年8月から2018年12月にかけて同地域で働く278名の従業員を雇いました。建設労働者の多くは、ブルガリア、モルドバ、イングランド、アイルランド、スコットランドから集まった人たちです。

Fagbladet 3fによると、ブルガリア人労働者の数名は毎月最低210時間働いたことが発覚しており、タイムシートからは少なくとも1人の従業員は休日を取らず40日間連続で勤務したことが判明しています。

また、給与明細表によりTag og Façade DKは1ヶ月あたり約160時間分の給料をデンマークの最低賃金である時給110クローネ($12.70)よりもわずか数%高い時給129クローネ($14.91)でしか支払っていないことが判明しています。

残りの賃金はBAL Contracts、HH Drywall、KG Drywallの英国の3つの企業を介して支払われていました。ブルガリア人建設労働者のうち、2人は、デンマークと英国両方の企業を通じて給料を受け取っていたことも判明しています。

ゼネコン/サブコンだけの問題ではない

今回の件について、Facebook北欧諸国の通信担当を務める Peter Münster 氏は次のように述べています。

「我々Facebookは、下請け企業に対して、現地の商文化や規制を尊重してほしいと期待しています。もちろん、全てのサブコンも同様です。現在私たちは、Mace社が今回の件についてどのように対応をしているか把握するため、彼らと連絡を取りあり情報提供を依頼しています。適切な対応をしてくれると確信しています。」

デンマークのデータセンター協会でCEOを務めるHenrik氏も

「Facebookの公式声明にある通りです。私たちは、ゼネコン/サブコンが、デンマークが定める規制を尊重してビジネスを展開してくれると期待しています。これまでも、賃金支払いに関して同じようなケースがヨーロッパでは見受けられました。ハイパースケールデータセンターの建設は、多くの労働力が必要で、一筋縄ではいかないのも事実です。」

「しかし、同じような不祥事が続いてネガティブな報道が繰り返されないよう、ゼネコンやサブコンだけではなく、データセンター事業者が責任をもって対処してよう取り組んでいきます。」と述べました。

– Data Center Dynamics

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