グリーングリッド、ITIによる買収後に分裂

グリーングリッド ( The Green Grid )は、 PUE やその他のデータセンターの効率基準を策定した業界団体ですが、今年の4月に米国情報技術工業協議会(ITI: Information Technology Industry Council)グループの一部となり、各地域に影響を与える再編を促しています。

中国支部は、政府の支援を受けて独立し、ローカルの非営利団体、The Green Gauge(TGG) Chinaになりました。グループ自体、ヨーロッパでのプレゼンスは維持していますが、他の国でも中国と似たような動きを検討するかも知れません。実はこの動きは4月にありましたが、広く公表はされていません。

グリッドから外れる

グリーングリッド の広報担当者は、「我々は、2019年4月1日にITIの会員になった」と述べています。「この買収の前に、グリーン・グリッドとTGG Chinaは契約終了にサインし、既存のライセンス契約を解消しました。」

2007年に設立されたグリーン・グリッドは、データセンターの効率性に関する初期の取り組みを進めてきました。データセンターのエネルギー使用量が2000年以来2倍になったとの2007年のEPA(米国環境保護庁)によるレポートが発表された後、政府が取り組む緊急の課題として設備をより効率的に改善しない限り、2011年までにエネルギー使用量は更に2倍に増加するだろうと予測しました。

2007年の後半に、グリーン・グリッドは、業界のすべての有名企業に代わり、米国の政策決定に影響力を持つ団体であるITIと協力し始めました。ITIははるかに古い団体です。元々、米国家電メーカー協会として1916年に設立され、テクノロジーの変化と共に動いてきましたが、最終的に1996年に名称をITIに変更し、今では米国のロビー活動団体として広く見られています。

– グリーングリッド/ ITI / DCD

グリーングリッドは、データセンターの効率性を測る指標として電力使用効率( PUE )規格を推進し開発しました。PUEとはデータセンターで使用される総電力をIT負荷電力で割った値です。理論上の最高値は1.0で、現在各データセンターはそれに近づけるような努力を継続的に実施していますが、グリーン・グリッドが活動を開始した時点でほとんどの施設は2.0をはるかに超えていました。つまり、データセンターで消費される電力の半分は「無駄であった」ということになります。

PUEは2016年に国際標準化機構( ISO )によって世界標準として承認されました。更にグリーングリッドは水に関する WUE など、効率性を別の側面から改善するような標準を提案しましたが、効率の向上がより緊急性の高い対策であるとされました。

2011年のその後のレポートでも、データセンターのエネルギー使用量は大幅に増加すると予測されていましたが、2016年のローレンス・バークレー国立研究所の調査では、PUEを削減するための対策により多くの障害が回避されたとの報告かあり、また技術の進歩により、デバイスがより多くの作業を実行できるようになり、IT機器の効率が向上しました。また一方で、設計や管理手法の改善努力により業界全体のエネルギー効率は向上しました。

ちなみに中国のTGGはさらなる別の基準を作成しています。 7月にDCD>上海でInfrastructure Usage Effectiveness(IUE)を発表しました。その作業をより国際的なプラットフォームで行うために、グリーングリッドから離脱したようです。

Data Center Dynamics

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