AWS、MicrosoftのJEDI受注をペンタゴンに抗議

Amazonに対するトランプの憎悪が公正な競争入札のチャンスを奪ったと主張

Amazon Web Services(AWS)は、MicrosoftにJEDI契約を与えたペンタゴンの決定に抗議しています。

10年以上に渡り100億ドル相当になると言われるこの大型契約は、論争、法的訴訟、また大統領も巻き込み泥沼化しています。

Amazonの反撃

AWS CEOのAndy Jassyは、11月14日の社内ミーティングで、前週に連邦裁判所に書類を提出したと社員に説明しました。Federal Timesの報告によると、Jassy氏はAmazonが「本当に何が起こったのか?について光を当てるよう政府に働きかける」と説明していたようです。

さらに彼は補足しました。「会社や会社のリーダーに対する軽蔑意思を公に示す大統領がいる場合、国防総省を含む政府機関が報復を恐れることなく客観的な決定を下すことは非常に難しいと考える。」

「公正にジャッジされなかったと強く感じている。AWSとMicrosoftを Apple to Apple(=同条件) で客観的な比較を行っても、双方が同等のプラットフォームであると判断されることはないでしょう。ほとんどの我々の顧客は、我々の方がMicrosoftより機能性や成熟度で約24か月先んじていると言うでしょう。」

– Sebastian Moss/Disney

Microsoftが10月下旬に契約を獲得するまで、AmazonはJEDIの最有力候補として広く見られていました。最初のRFIの時点では、全ての入札要件を満たすことができる唯一のクラウドプロバイダーでした。

Oracleはそこに不正行為があると主張し、一連の法的訴訟を立ち上げました。それらはすべて最終的に却下されましたが、プロセスを遅らせた事は、非常に成功したロビー活動キャンペーンであったと言えます。同社は、シングルベンダー契約の必要性に異議を唱えるシンクタンクに資金を投入し、AmazonがJEDIのRFP要件作成に影響を与えたと主張する文書を作成しました。その文書はどういうわけかトランプ大統領のデスクに届いたのです。

トランプ大統領が、ワシントン・ポストを所有するAmazonのCEOジェフ・ベゾス氏を否定的に見ていたことは既に知られていました。

今後発売される書籍「Holding The Line: Inside Trump’s Pentagon with Secretary Mattis: 著者Guy Snodgrass氏」の主張によると、トランプ氏が2018の夏にマティス前国防長官を呼び出し、「Amazonを潰せ」とJEDIへの入札チャンスを無くすよう直接指示があった、としています。

2019年7月、トランプ大統領はAmazonの贈収賄の可能性について公に調査を呼びかけました。 その時点では、OracleとIBMによる法的訴訟はいくつかの調査後に既に棄却されていました。

「ペンタゴンとAmazonとの契約に関して、多大な抗議が寄せられている。」とトランプ氏は当時記者団に語っていました。

「彼らはこれは競争入札ではなかったと言っている…世界的に偉大な企業らが不満を言っている。Amazonと国防総省には何か関係があると、だから私はそれを非常に厳密に見定める為に調査を依頼する。一体何が起こっているのか?と。」

すぐ後に、トランプ氏が任命したマーク・エスパー国防長官は、 就任後わずか11日後に、JEDIに関する調査を実施すると宣言しました。「彼の調査が完了するまで、プログラムに関する決定は行われません。 」とスポークスマンはコメントしていました。

数ヶ月後、エスパー氏は彼の息子がIBMで勤務していることを突然思い出しました。 「法的に義務付けられてはいないが、彼の成人の息子が元々の入札ベンダーであった1社(=IBM)に雇用されたため、情報会議の後に、彼は自身を意思決定への関与から外した。」 と国防総省は報告しました。

国防総省は、デビッド・ノーキスト副長官の下で調査が継続するとコメントしました。調査が正式に終了したのかどうかは明らかではありませんが、ノーキスト氏による3日前の調査の中で契約はMicrosoftに与えられました。

Data Center Dynamics

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