Intel、シリコンベースの量子プロセッサの試作品を発表

わずか数ヶ月のうちに製造体制を「数千個」レベルに拡大する計画

Intelはシリコンベースの量子コンピューティングチップを開発しました。この製造には、従来の半導体製造技術を利用することが可能です。

「 スピンキュビットプロセッサ 」は、同位体的に純粋なシリコン基板で作られ、磁気共鳴を利用して個々の電子を操作します。

このアプローチの背後にある理論が知られるようになってしばらく経ちますが、Intelは大量生産の準備をしている最初の企業です。

Intelは、スピンキュビット機器が科学的ハードルをいくつか打開するのに役立ち、量子コンピューティングを研究世界から現実世界に引っ張り出すだろうと述べています。

別の方法

量子コンピュータは、キュビット(別名、量子ビット)を利用して計算を実行することができます。量子状態を重ね合わせることができるので、キュビットは1と0の両方を同時に測定できます。―ちょうど、有名なパラドックス「 シュレディンガーの猫 」が、生きているかも知れない、死んでいるかも知れない、その両方があり得る、のと同じ状態です。なぜならシュレディンガーの猫は量子コヒーレントな状態で外界と遮断されているからです。

量子コンピュータは、医療研究、機械学習、金融モデリング、さらには天気予報のようなアプリを含む従来の機器よりもずっと速いスピードで特化した問題を解決するのに役立つでしょう。

Intelの最新の量子コンピューティングチップは、2015年に開始された共同研究プロジェクトの成果です。スピンキュビットは物理的サイズがずっと小さく、ほとんどのユニバーサル量子コンピュータの試作品で使用されている「超伝導」キュビットのような超低温要件がないので、Intelはスピンキュビットに重点的に取り組んでいます。Intelは実際に両方のアプローチから取り組んでいますが、スピンキュビットは脆弱性が比較的低いため、 コヒーレンス時間 は長くなるとIntelは予想しています。

Intelは次の通り説明しています:

電子は別方向に回転することができます。電子が回転を上げると、データはバイナリ1を示します。電子が回転を下げると、データはバイナリ0を示します。しかし、超伝導キュビットの動きに似ていますが、これらの電子も「重ね合わせ」状態で存在します。つまり、同時に回転を上げたり下げたりする可能性があり、そのため、理論的には、従来のコンピュータよりも遥かに高速スピードで膨大な数のデータを並行して処理できるのです。

この技術によって、Intelの共同研究パートナー、オランダのデルフト工科大学QuTech研究センターは、2つの単純な量子アルゴリズムを実行するようにプログラムされた2キュビット量子コンピュータを開発することに成功しました。

一方、Intelは製造プロセスを開発しました。これには、スピンキュビット試験チップの製造に特化した同位体的に純粋な基板ではありますが、Xeon CPUの製造に使用されているのと同じ転写機器が使用されています。Intelは2〜3カ月以内に、「1週間であたりの基板製造量を大幅に上げる、その基板の一つ一つに数千個の小型キュビットアレイを搭載することが可能」と発表しています。

それと同時に、Intelは、量子コンピューティングの実用化には、解決すべき課題と構造上決めなければならないことが山積していることも認めました。

Intelはこの分野で孤独ではありません。昨年、IBMは商用利用可能な20キュビットのマシンを構築するために超伝導回路を使用しました。今後数年のうちには50キュビットの量子コンピュータを開発すると断言しています。

– Data Center Dynamics
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