日本の商用データセンター – 進む統合と差別化

現在の国内データセンターの特徴

現在、主に日本のデータセンターは①「都市型」②「都市周辺郊外型」③「地方型」と、立地上これら3つの類型に分類されます。まずは、立地的な特徴に注目しながら、データセンター事業者の動向を追ってみます。

都市型/都市周辺郊外型データセンターの現状と課題

– Tokyo (Pixabay)

①「都市型」データセンターは交通アクセスが良い場所にあり、また通信環境に優れ、自然災害などのアクシデントが発生したとしても優先的に復旧が行われます。

都市別GDPランキング(2014年)で世界1位に位置する東京のような大都市には、金融、サービス、娯楽をはじめ多くのビジネスが集約しており、自然とデータセンターへの需要も高まる特徴があります。(参照:Brookingsレポート

– Telehouss Tokyo Otemachi

しかし、近年はラック料金が高くなっており、IT供給電力などのエネルギー効率が劣っており、それらの問題を解決するにしても用地取得が難しいので、築古物件が増えてしまいます。エネルギー効率が良く、大規模な施設などを新たに建築することも容易ではないため、改善が困難であるようです。

そこで、②「都市周辺郊外型」のデータセンターが「都市型」データセンターの受け皿的な存在になっています。「都市周辺郊外型」のデータセンターとしては、株式会社NTTデータの「東京第10データセンター」などが挙げられます。

– 東京第10データセンター (NTT Communicationsより)

従来よりも通信環境が改善されており、もちろんサーバーの冗長化により災害時などの対策を施したり、リモート対応にもしっかり対応することができます。また、都市圏にいる人にとっては比較的アクセスもよく、遠方まで外出する手間が省けるため、都市部においてニーズが満たされていないと感じている企業などが流れ込んでいるのではないでしょうか。

地方のデータセンターの動向について

さて、これまでは都市部のデータセンターにおける様々な課題点や現状の動向について説明してきましたが、地方データセンターの現状はどうなっているのか気になっている人もいるのではないでしょうか。ここでは、③「地方型」のデータセンターの現在の動向について説明していきます。

– 石狩データセンター
さくらインターネット

ここでは、地方のデータセンターの中でも有力な地域の1つとしてあげられる北海道に注目をしてみます。たとえば、北海道の地方型データセンターとして有名なのが、さくらインターネットの「石狩データセンター」です。

データセンターはサーバーなどの多くのIT機器を配備しており、それらを常時稼働させているので、それらの機器に対して適切な冷却処理を施さなければならず、それが一定のコストを発生させています。

土地、冷却、エネルギーなどの「コスト」を抑える

さて、北海道の場合は、地域特性として都心部などに比べて気温が低く、うまく外気冷房を利用すれば「冷却コスト」を安く済ませることができます。

また、東京などの都市部に比べて、「土地の地価」も安くある程度まとまった用地を取得することができるため、新たにエネルギー効率の良い大規模のデータセンターを建設することができ、都市部で問題になっている施設の老朽化による電力供給問題なども解決できるようです。

石狩湾新港地域におけるスマートエネルギー構想(国土交通省)

その他にも、北海道はクリーンエネルギーを活用した街づくりに力を入れていることも、データセンター事業者にとっては魅力の一つです。例えば、さくらインターネットがある石狩市では、地域をあげてスマートエネルギー構想を打ち立てており、データセンターや工場へ、再生可能エネルギーなどの動力源を直流で提供する等、「エネルギーコスト」を抑える新しい取り組みを進めています。最近では、京セラコミュニケーションシステムが石狩市に新しいデータセンターを建設すると発表しています。(スマートジャパンより)このように、都市づくりや地域性を活かした戦略は、データセンター事業者の一つの差別化方法として挙げられます。

– ビジネスを安定させるための地方 – DR対策、冗長対策

データセンターで障害が発生しても、もう1拠点別のデータセンターがセーフティネットとして機能することで、全てのサービスが止まらないように対応することができます。 このように、BCP対策として、地方データセンターを活用する企業も多くあります。

地方であっても、リモート対応にもしっかり対応できていれば、本社などから距離が離れていたとしても適切に対応可能であると思われます。 これらの事情から、北海道や沖縄などの地方のデータセンターなどを利用する企業も一定数あるようです。

また、近年では東日本大震災や相次ぐ大雨などの自然災害から、BCP対策を進める企業も多くなっています。ハザードマップなどから、自然災害が発生した際にも甚大な影響を受けにくい場所へとデータセンターを建設し、ユーザーを誘致する企業も多くみられます。

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