トランプ大統領、ブロードコムによるクアルコム買収提案を禁止

国家安全保障上の観点から

CFIUS(対米外国投資委員会)は、今回の買収がクアルコムのR&D支出に影響を与え、中国のファーウェイが5G市場で影響力を強めることを恐れています。
ドナルド・トランプ米国大統領は、ブロードコムによる買収は、米国国家安全保障上のリスクをもたらす可能性があるとしたため、ブロードコムがライバルのチップメーカー「クアルコム社」の敵対的買収を1170億ドルで実施することを阻止しました。(大統領署名による)
外国投資を規制する米国外商投資委員会(CFIUS)は、「ブロードコムと第三国外国企業との関係に関連するリスク」と「ブロードコムのクアルコムに関連する事業意図」について調査していたと語りました。

特に、CFIUSは、買収されることによってブロードコム社のR&D費用削減の歴史を懸念していました。また、1000億ドル以上の負債を取引するという事実により、クアルコムでの研究開発費は減少することになります。
関係機関団体も、R&D費用の減少はクアルコムとファーウェイがリードしている分野である5G市場に影響を与えると主張し、「ファーウェイやその他の中国の電気通信会社が米国へ与える国家安全保障上のリスク、特に5G市場の中国支配への移行は、米国にとって実質的に負の国家安全保障上の結果をもたらすだろう」と述べました。

トランプ大統領が署名した執行命令書には、「買収者によるクアルコムの買収は禁止され、実質的に同等の合併、買収または買収も直接的または間接的にかかわらず禁止される」と記載されています。「デラウェア州のクアルコム社の支配権を行使してブロードコムが米国の国家安全保障を損なう恐れのある行動をとる可能性があるという信じられない証拠がある」とも述べています。

CFIUSチェアのスティーブン・ミンチン幹事長は、「この決定は、この特定の取引に関連する事実と国家の安全性への配慮にのみ基づいており、ブロードコムと何千人もの高度に熟練した米国の従業員について他の声明を出す意図はない」と語りました。
ブロードコムはこれまで、5GのR&Dに投資すると約束しており、声明で、「ブロードコムは、クアルコムの買収提案が国家安全保障上の懸念を提起することに強く反対している」と述べました。

クアルコムは、大統領の行動の条件の下、「ブロードコムのすべての取締役候補者も、クアルコムの取締役として選出されることができなくなる」と主張しました。

先週の日曜日、CFIUSはブロードコムとクアルコムの弁護士に対して、シンガポールから米国への法定住所移転を計画していることを5日前には委員会へ知らせる命令に繰り返し違反したと主張しました。CFIUSはまた、これまでのところ入札の調査により、以前に提起された国家安全保障上のリスクが確認されたとも述べています。
この禁止に先立って、米国大統領はCFIUSの推薦に基づき取引を4回だけブロックした。昨年、トランプはキャニオンブリッジキャピタルパートナーによるラティスセミコンダクターコーポレーションの13億ドルの購入を禁止した。再びCFIUSは、キャニオンが中国の国家との関係を持っていると主張し、安全保障上の懸念を提起した。

2016年には、当時の大統領バラク・オバマが、カリフォルニア州で事業を展開するドイツの半導体企業であるAixtronの株式を、中国企業が保有することを阻止しました。「ブロードコムはその損失を削減しなければならず、クアルコムを追い求める手段はほとんどないと思割れます。まだ、他の種類の契約によって協力する道があるかもしれませんが、ブロードコムがクアルコムをコントロールする(特に5Gビジネス周り)ような買収については、CFIUSは常に警戒しています」とCFIUSの事例を経験したFried, Frank, Harris, Shriver&Jacobson LLPのMichael Gershberg弁護士はウオールストリートジャーナルに語りました。

買収計画が中止になったことで、ブロードコムがクアルコムを買収するような、インテルの機密のブロードコム買収計画が中止されました。契約が締結される前の買収を阻止しようとする動きは、一部のビジネスリーダーに懸念を引き起こしています。サリバン・アンド・クロムウェルの合併買収弁護士フランク・アクイラ氏は、「取引が署名される前に大統領が先制措置をとったという事実は、正当なプロセスの考え方すべてを非常に混乱させ、矛盾しています。また、米国企業が政治的理由で他の国で買収を禁止されているような今回と逆のパターンにおいて、不当だと声を上げることが難しくなるかもしれません。この措置は、多くの分野での堅調な国境を越えたM&A活動には適していないのです」と話しました。

– Data Center Dynamics
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