Uber、IPOからデータセンター利用状況が明らかに

先日IPO申請したUberですが、公開されたドキュメントから同社のデータセンター使用状況を予想することが可能です。

Uberは、複数の クラウド サービスや コロケーション サービスをサービスに合わせながら並行活用することで、世界規模での迅速な成長ができることを重要視しています。(Tripod Strategyと言われるものに似ています)

IPOに伴い公開されたレポートでは「Uberは複数の パブリッククラウド とコロケーションデータセンターを使い分けながらサービスを世界中で提供しています。コロケーションデータセンターやサービスプロバイダーの実際の運用については、Uberでは特にコントロールしていません」と述べられています。

レポートで明言はされていませんが、Uberの広報担当は同社がGoogle Cloud PlatformとAWSを使っていることを認めており、ここ2年間でGoogle Mapの使用料には5800万ドルを支払っています。

– Sebastian Moss/DCD

コロケーションデータセンターも利用しており、昨年ロンドンで開かれたDCDイベントの際も、Uberのコンピューティング責任者Dean Nelson氏は5MWという大規模な(576ラック分)借用を検討していることも語っていました。

もともとUberが利用しているシステムでは完全な 冗長性 が考慮されていないため、データの保管やデータ処理時に、予期せぬ問題によってサービスが止まる危険もあるため、新しいオンプレ環境やクラウドコンピューティングへの移行を余儀なくされる可能性もあり得るためです。ただ、これは非常に時間や予算がかかり、また移行失敗によるデータ損失のリスクもはらんでいます。


(補足)
Uberとしては、「サーバー=25Gbitのネットワーク機能を保有、1ラックで600Gbit。これを16台分用意し、16ラックで一つの”ポッド”として構成する。このポッドが30個欲しいので、480台のラックが必要になる」と設計をしていました。
ただ、ネットワーク用ラックやいざという時の備え用途として設計を見直した結果、最終的に576台に達したというわけです。Uberではコンピューティング、データベース、ストレージ、機械学習用(GPU)に4つのタイプのラックを使用しているとのことです。


実際に、上記のような懸念が現実となったこともあります。例えば、2018年2月に実施した定期メンテナンスではエラーによってサービスが28分間停止してしまい、運転手やユーザー、荷物を運ぶ運送業者などがUberアプリへログインできなくなっています。

レポートでは、Uberのデータセンターへの支出についても述べられており、過去3年間でUberがオフィスおよびデータセンター借用に投じた資金は、それぞれ2016年=1億1000万ドル、2017年=1億9400万ドル、2018年=2億1200万ドルとなっています。データセンター設備への投資でみると、2018年は前年比7500万ドル増、2017年も前年比8700万ドル増でした。

Data Center Dynamics

原文はこちら

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