ヒューストンのデータセンター、ハリケーン・ハーベイに克つ

冗長性に頼る者あり、水害危険地域外に施設を建設する者あり

この10年で最大の大型台風、ハリケーン・ハーベイは、勢いを増してテキサス州南東部を縦断し、ヒューストンでは数万人の人々が避難するほど大きな爪痕を残しました。沿岸警備隊とヒューストン市警は、昨日だけで4,000人以上を救出し、少なくとも9人の死亡が確認されました。

昨日、電気系インフラも洪水の被害を受けて、テキサス州では断続的な停電が発生しました。これにより、テキサス州だけで280,000を超える顧客が影響を受けたと推定されています。一方、不測の事態はデータセンター運営者によってテストにかけられ、担当者によれば(これまでのところ)持ちこたえています。

生き延びる

大きな混乱はなかったようです:報道によると、IBM社のBluemixクラウド施設は昨日も支障なく稼働し、混乱することなくサービス提供できていたと言われています。テルコ社とレベル3コミュニケーションズ社は、週末に断片的な障害がいくつか発生したと公表していますが、サービスに重大な支障はなかったと述べています。

エクイニクス社は、ベライゾン社のデータセンターの買収の一環として今年初めに獲得したHO1 IBXという施設をヒューストンにも保有していますが、これはオンラインではあるものの顧客はアクセスできない状態と報告されています。同社はまた、ヒューストンの全従業員が説明責任を負うことを約束しました。

データファンダリ社の2つのデータセンター(ひとつは洪水の被害が大きかった地区にある)は、技術者がメイン電源とバックアップ電源を切り替えなければならない状態であると報告したにもかかわらず、月曜日も稼働していました。

ダラスのサイラスワン社は、「緊急管理と対応計画」に従事していますが、依然として電力会社のみに依存していると言われています。

デジタルリアリティ社の施設はヒューストンの水害危険地域の外にあったおかげで暴風雨の影響を受けにくかったのですが、それでも一刻も早いデュポン・ファブロス・テクノロジー社との合併が待たれます。

先例

水害は停電の一般的な原因です。自然の力に耐えられる能力があるかどうか、データセンター運営者は再びテストにかけられました。

2007年のシアトル洪水はT-Mobileのネットワークを半日ダウンさせ、2010年のロンドン洪水は電気火災を起こし、これによりブリティッシュテレコムの顧客数万人がインターネットサービス中断の影響を受けました。

もう一つの例は、2012年のハリケーン・サンディ(別名スーパーストーム・サンディ)です。洪水が原因でニューヨーク大停電が発生しました。ニューヨーク市の歴史に残る事故であったと言われています(そのほとんどの原因が人為的失敗ですが、事故について公表したいという企業はほとんどいません)。

インターナップ社とデータグラム社は両社ともディーゼル発電機を水没させていたことは認識すべきです。データグラム社のサーバーはBuzzfeed、Huffington Post、Gawkerをホストしていました。IPバックボーン運営者Init7社はバックアップジェネレータに適切に切り替えることができず、マイアミとロサンゼルス間のネットワークを損失しました。

同様に(そしてむしろ不運にも)、オーストラリアのICTインフラ基盤も2010年に続いて2011年にも再び被害を受けました。最初はメルボルン、データコムの施設の屋根パネルが大雨で壊れ、施設内の機器が甚大な被害を受けました。その翌年にはブリスベン、大洪水によりオーストラリア第2の通信会社オプタス社の光ファイバが破損し、テルストラ社のデータセンターに損害を与えました。

2013年にはトロント洪水で変圧器が水没、カナダ最大の運送会社の冷却システムの1つがダウンしましたが、運営者はバックアップ発電機に切り替えて施設をオンラインに保ちました。

最後に、英国のモバイルネットワーク事業者であるボーダフォンは、12月中続いた暴風雨の影響を強く受けた英国中部リーズ市にある同社のデータセンターの水害により、2016年末の休暇期間中にサービスにアクセスできませんでした。

この先も雨が多い

しかし、不愉快な事に、昨年公開された英国の気候変動報告書によると、このような事態はこの先増えそうです。この報告書は英国のインフラ基盤における地球温暖化の潜在的なリスクを明示しています。つまり、ICT業界は様々な冗長措置をとっているにも関わらず、気候パターンの変化に起因する洪水と降水量の増加が最悪のリスクとなることを指摘しているのです。

一方、雨が降りやまないため、ヒューストン洪水はまだ収まる見込みはありません。土曜日から月曜日までの間に、この地区の平均年間降水量の半分を超す雨が降りました。国立ハリケーンセンターによると、降雨量は、今回の嵐が終わるまでにもう20インチ(孤立地区では50インチ)増えることになると予測しています。そして最終的に雨が止んでも、水が退くには長い時間がかかることでしょう。

アメリカのトランプ大統領は、今日テキサス州を訪問する予定です。昨日、ハリケーン被害からの復興を支援すると約束したからです。間違いなくお金がかかる話です。

– Data Center Dynamics
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