【特集記事】Equinixの50億ドル規模のハイパースケール事業がヨーロッパで始まる

先週、世界最大のコロケーション事業者であるEquinixは、 ヨーロッパの ハイパースケール 市場をターゲットとし、シンガポールの国営投資ファンドとの10億ドルの合弁事業を発表しました。

EquinixのEMEA責任者であるEric Sc​​hwartz(エリック・シュワルツ)氏は、GICとの提携には何が必要なのか?、なぜ同社が完全に ホールセール を受け入れているのではないのか?、そしてxScaleデータセンターの違いとは何か?について説明しました。

選ばれた12社

シュワルツ氏は、「これまでの弊社とハイパースケール企業との関係は、 多くの エッジ ノードとのインターコネクト(相互接続)プラットフォームの部分で非常に重要でした。」と述べました。「しかし、 今後は我々は彼らと一緒に議論し、その中で彼らは大規模なゾーンを展開する必要性について話してくるでしょう。「あなたは私たちを手助けできますか?」と。

「そして、一般的は、エクイニクスは、「申し訳ありませんが、私たちはそれを行う立場にありません」と回答するでしょう。しかし一方では、せっかく助けを求めている顧客がいるにも関わらず、いいえと言う立場になりたくはありません。言い換えれば、彼らが助けを求めているならば、それはいい機会です。」

エクイニクスのコアビジネスモデルは、ラックやケージ内のスペースを何千もの異なる顧客に販売し、それらの間の相互接続に対して課金することに依存しています。そのアプローチは変わらないとされ、同社はホールセールビジネスを完全には受け入れないと繰り返し発信していました。

シュワルツ氏は、「当社の戦略は依然としてリテールとインターコネクトに大きな重点を置いております、限られた数の顧客(※ 現時点で12のハイパースケーラー企業のみに提供 )に対応するために、このxScaleサイトを展開できることを嬉しく思います。」と述べました。

「次のホールセール顧客 – <13~100社> – 彼らはまた非常に大規模で要求の厳しい顧客であるため、更なる多くの複雑さを引き受けることになり、 現時点でそこに投資をしたくありませんでした。今回、12社に限定することによって、我々の本業に対する影響と変化を制限しました。」

エクイニクスは、顧客の機密性を理由に、全てのリストの共有を拒否しましたが、12社はすべてハイパースケール巨大企業です。 エクイニクス は発表の中で、12社にはAlibaba Cloud、Amazon Web Services、Microsoft Azure、Oracle Cloud Infrastructure、およびGoogle Cloudが含まれていることを明らかにしました。

シュワルツ 氏は、顧客数は制限してもxScaleの成長は制限しない、と主張しました。「弊社は12社の要求に追いつくのに苦労するだろうと私は思う」「たとえそれがオポチュニティの規模をある程度縮小することになっても、オポチュニティは我々が苦しむ以上に十分に大きいのです。」

これら12社は、毎年数十億ドルを投資して独自のインフラストラクチャを構築しており、彼らの急成長するニーズを満たすために、 デジタルリアルティをを始めとする、 他さまざまな企業がそのニーズに応えています。

エクイニクスが彼らのコアビジネスに抜本的な変更を行うことに消極的であったことも、GICに出資を求めた理由です。シュワルツ氏は、「エクイニクスは、株式を売却したり、借り入れただけの可能性がありました。」と シュワルツ 氏は述べました。「しかし、私たちはエクイニクスの既存の事業を維持しつつ、より速いペースで成長し、より良いリターンを生み出すための柔軟性を維持したいと考えていました。 我々の既存のビジネスは、今進出しようとしているハイパースケール事業と比較しても、まだ10倍以上の規模があります。 」

合弁会社は – 規制当局の承認を得て – GICが共同事業の80%、10億ドルを投資する一方、エクイニクスはロンドンのLD10およびパリのPA8 IBXデータセンターを合弁会社に売却します。その後、アムステルダム、フランクフルト(2か所)、そしてロンドンのxScaleデータセンター、それら全ては既存のEquinix IBXデータセンターの500m以内に建設される予定です。

「発表では、我々は投資金額が10億ドル以上であると述べましたが、さらに多くなるだろう」とシュワルツ氏は述べました。

6つのxScaleデータセンターは、それぞれが複数のデータホールで構成され、合計で約155MWの電力容量を提供する計画でいます。「各ホールは単一テナントにのみ販売されます。現在の設計計画では、各サイトに2〜4社のテナントを予定しています。サイト全体を一社に販売することも可能ですが、当初のアプローチは少なくとも2社から4社以下で考えていました。」

温度変化

ホールが一社によって運営されると、通常のリテール環境では不可能なレベルのカスタマイズが可能です。

「100社の顧客がいる施設では、それぞれが異なる要件と異なる機器を持ってくるので、温度範囲について各テナントに合意させることは決してできません。」とシュワルツ氏は述べます。「例えば顧客が二社いて、ホールごとに区別されているxScaleサイトでは、それぞれの顧客が要求する特定の温度範囲を受け入れることができるため、施設をより効率的に運用できます。」

「より高い温度範囲で運用させると、効率が向上し、消費電力が少なくなるため、コストが削減されます。」

ホールセール・データセンター

もう1つの変更は、ケーブリング・インフラです。「通常は、データセンター全体にケーブリングをあらかじめ敷設し、すべての配線はインフラ設備内に張り巡らされています。xScaleを使用すると、顧客は自身のスペースに自由なケーブリング設計ができ、 各建物の回線引込口で合流する形となります。」

「一般的なクラウドプロバイダは、通常の高セキュリティデータセンターよりも高度なセキュリティレベルを要求します。彼らは世界中のサイトを統合監視しており、我々の施設も他と同様、ひとつのセキュリティ監視システムに統合をしたいと考えています。」

シュワルツ 氏は、同社が液体冷却を提供するのも難しいことではないと言っています。(Googleの第3世代 TPU を例に挙げて)彼は補足としてこう述べています。「今日時点で我々が行っていることではありませんよ。将来の可能性について話しています。」

カスタマイズの段階は進化するプロセスです、「スラウ(ロンドン)やパリで既に稼働中の最初の2サイトでは、期待するほどの大きな差別化ポイントはほぼ見れないでしょう。今後構築予定の4サイトの大きな違いはデザインと構造にあります。」

追加の4サイトの後にも、エクイニクスはさらに多くの計画を立てています。「我々が当初出した見積もりは、数年間で約50億ドルの投資でした。そしてすべてがうまくいけば、それはもっと多くなるかもしれません。」と彼は述べています。「我々は、ヨーロッパ、アジア、そして中南米など、 すでに次のステップに向けての計画をしています。」と述べました。

これらエリア拡大のための資金はGICか、あるいは他のパートナーからになるかもしれません。しかしシュワルツ氏は、銀行からの資金調達もそれほど難しくないと確信しています。銀行はこれらすべての顧客の信用格付け満足しています。また驚くべきことに、いくつかのハイパースケーラは信用格付けがありません、なぜなら彼らは一切借入をしていないからです。」

これを念頭に置いて、これらのばかげたくらいに裕福で積極的に拡大を続けるハイパースケール企業の事業に勝利しようとしているのはエクイニクスだけではいない理由がわかります。大規模なクラウド企業のために大規模なデータセンターホールを構築することを目指す例は数多くありますが、それを実現できるのはごく少数だと、シュワルツ 氏は考えています。

「これは非常に複雑であることが判明しました。複数の通貨、複数の国家、既存のエクイニクスの契約からxScaleの契約に移行しようとしている複数の顧客がいます…そしてこの複雑さはそれだけの価値があることもわかりました。大規模でこれを行うことができる企業体力があれば、ですが。」

「業界の多くの人がこのような事業を行うことについて、「ああ、私はデータセンターを開発するために第三国の首都にアクセスするんだ」と言います。しかし多くは必ずしも我々ほど大企業ではなく、グローバル並行で事業を展開できる立場でないという事実は、今後大きな障害になるだろうと思います。それは悪い考えだからではなく、難しいからです。まずはこのようなハイパースケール企業の需要に対応できるようになる必要があります。」

Data Center Dynamics

原文はこちら